金融庁、決算・監査・株主総会の柔軟・適切な対応を要請

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 去る4月15日、金融庁(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への対応に係る連絡協議会)は、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査及び株主総会の対応について」を公表した。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、目下進行中の3月決算・監査業務の大きな遅延が予想されるなかで、協議会は決算・監査を義務づける関係法令の実質的な趣旨や関係者の健康と安全の観点から、当初予定したスケジュールの形式的な遵守にこだわらず、柔軟かつ適切な対応を求めている。具体的には以下のような対応を示している。

企業・監査法人

 まず、企業・監査法人においては、内閣府令改正により有価証券報告書、四半期報告書等の提出期限が9月末まで一律に延長されること等を踏まえ、従業員や監査業務従事者の安全確保に十分な配慮を行いながら、例年とは異なるスケジュールも想定して、決算・監査業務を遂行していくことが求められる。

 3月期決算の場合は、通常6月末に開催される株主総会の運営に関し、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにあらかじめ適切な措置を検討すること、法令上、6月末に定時株主総会を開催することが求められているわけではなく、日程を後ろ倒しにすることは可能であることを踏まえ対応する必要がある。

 また、資金調達や経営判断を適時に行うために当初予定した時期に定時株主総会を開催する場合には、以下の手続をとることも考えられる。

  1. 当初予定した時期に定時株主総会を開催し、続行(会社法317条)の決議を求める。当初の株主総会においては、取締役の選任等を決議するとともに、計算書類、監査報告等については、継続会において提供する旨の説明を行う。
  2. 企業・監査法人においては、上記のとおり、安全確保に対する十分な配慮を行ったうえで決算業務、監査業務を遂行し、これらの業務が完了した後直ちに計算書類、監査報告等を株主に提供して株主による検討の機会を確保するとともに、当初の株主総会の後合理的な期間内に継続会を開催する。
  3. 継続会において、計算書類、監査報告等について十分な説明を尽くす。継続会の開催に際しても、必要に応じて開催通知を発送するなどして、株主に十分な周知を図る。

投資家

 また次に、投資家においては、投資先企業の持続的成長に資するよう、平時にもまして、長期的な視点からの財務の健全性確保の必要性などに留意することが求められ、さらに、各企業の決算・監査の実施に係る現下の窮状を踏まえ、上記の定時株主総会・継続会の取扱い等について理解が求められる。

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