この記事は、企業会計2020年6月号(緊急企画「コロナショックにどう対応するか」)より執筆者の許可を得て転載したものです(記載の内容は4月19日時点の情報に基づくものです)。
ジャパン・ビジネス・アシュアランス㈱
公認会計士 笠原鉄平
ジャパン・ビジネス・アシュアランス㈱
公認会計士 福山憲児
昨今の新型コロナウイルスの拡大および各国の感染症拡大防止対策が、グローバルな経済活動に大きな影響を与えており、中国等の感染拡大地域に主要な事業拠点や取引先を有している場合に限らず、事業活動にも大きな影響が及ぶことが懸念されている。
新型コロナウイルスの影響には大きく分けて、決算スケジュールに与える影響と財務諸表等に与える影響とが考えられる。以下において、「決算スケジュールへの影響」、財務諸表のうち「後発事象」、および「決算説明会における留意点」に分けて、これらを順に説明する。
決算スケジュールへの影響
決算スケジュールに与える影響としては、主に中国等の感染拡大地域に工場、拠点等を有する場合、決算を行うのに必要な情報の入手が行えない可能性や、感染症拡大防止のため棚卸などの通常決算に必要な手続が行えない可能性が考えられる。また同様に、会計監査に必要な手続を実施できず、監査法人の監査が終了しないことも考えられる。
これらに関し、各関係団体より次のような見解が公表されている(図表1参照)。
〔図表1〕関係団体の公表した見解
金融庁 | 4月14日 (4月17日更新) |
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を踏まえた有価証券報告書等の提出期限の延長について |
法務省 | 2月28日 (4月17日更新) |
定時株主総会の開催について |
日本取引所グループ | 2月10日 | 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた適時開示実務上の取扱い |
国税庁 | 3月25日 (4月16日更新) |
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ |
日本公認会計士 協会 |
(その1)3月18日(その2)4月10日 |
新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項 |
記事の続き(全文)は下記からダウンロードできます。
業務スケジュールへの影響と後発事象・決算説明会への対応 (253 ダウンロード)※ 企業会計2020年6月号に掲載している以下の記事を特別公開しています。
⑴「業務スケジュールへの影響と後発事象・決算説明会への対応」(本記事)
⑵「12月決算企業にみるリスク情報の開示」
⑶「会議体としての株主総会のゆくえ――「株主総会運営に係るQ&A」の法解釈と将来の展望」(近日公開予定)
新型コロナウイルス感染拡大で決算・開示対応にお困りの企業のみなさまに、ご活用いただければと思います。
※ 特別公開をご快諾いただいた執筆者の方々に御礼申し上げます。
コメント