金融庁、新型コロナの影響に関する企業情報開示の充実を要請

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 5月21日、金融庁は、「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表した。

財務情報における追加情報の開示

 企業会計基準委員会(ASBJ)から4月10日に公表(5月11日追補)された議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」で以下のように述べられていることを踏まえて、財務情報である追加情報において、会計上の見積りに用いた仮定をより具体的に開示することが強く期待されるとしている。

「どのような仮定を置いて会計上の見積りを行ったかについて、財務諸表の利用者が理解できるような情報を具体的に開示する必要があると考えられ、重要性がある場合は、追加情報としての開示が求められる」

「当年度に会計上の見積りを行った結果、当年度の財務諸表の金額に対する影響の重要性が乏しい場合であっても、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある場合には、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する追加情報の開示を行うことが財務諸表の利用者に有用な情報を与えることになると思われ、開示を行うことが強く望まれる」

ASBJ、議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」(4月10 日公表、5月11日追補)

非財務情報(記述情報)の開示

 有価証券報告書における、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「事業等のリスク」「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」など、非財務情報(記述情報)については、改正開示府令(2019年1月31日公布・施行)が本年3月期決算から適用されている。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、「当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響」などを開示することが求められている。

 ただし、この内容を「財務情報における追加情報」で開示した場合には、非財務情報の開示ではその旨を記載することによって省略可能である。

 また、以上の内容は、有価証券報告書レビューの対象となることも明らかにされている。この有価証券報告書レビューについては、同日(5月21日)「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項及び有価証券報告書レビューの実施について(令和2年度)」も公表されているため、あわせて確認されたい。

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